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網膜色素変性症の原因・遺伝

網膜色素変性症には男女の差はほとんどありません。常染色体劣性網膜色素変性症ではしばしば両親の家系内に血族結婚がみられます。またこのタイプの遺伝形式では通常兄弟姉妹に同じ病気の患者さんがいても親子で同じ病気ということはありません。

常染色体優性網膜色素変性症では親から子供へ、子供から孫へそれぞれ50%の確率で遺伝しますがこの場合、通常血族結婚はありません。X連鎖性網膜色素変性症では母親が保因者となり男の子に発症します。発症年齢には個人差が多く出生時にすでに相当進行しているタイプや子供の頃から自覚症状を訴えるタイプもありますが40歳ぐらいになって初めて症状を自覚する患者さんもいます。

網膜色素変性症は視細胞や視細胞に密着している網膜色素上皮細胞に特異的に働いている遺伝子の異常によって起こるとされています。しかし今のところ、明らかに原因となる遺伝子がわかっているのは網膜色素変性症の患者さん全体の極く一部でしかなく、大部分の網膜色素変性症患者さんではいまだ原因は不明であるといえます。

現在までにわかっている原因遺伝子としては常染色体劣性網膜色素変性症では杆体cGMP-フォスフォジエステラーゼaおよびbサブユニット、杆体サイクリックヌクレオチド感受性陽イオンチャンネル、網膜グアニルシクラーゼ、RPE65、細胞性レチニルアルデヒド結合蛋白質、アレスチンの各遺伝子が知られており、また常染色体優性網膜色素変性症ではロドプシン、ペリフェリン・RDS (retinal degeneration slowの略) 、ロム-1、X連鎖性網膜色素変性症では網膜色素変性症GTPase調節因子(RPGR)の各遺伝子が知られています。

しかしこれらの遺伝子の異常も網膜色素変性症の極く一部でしかなく、今後さらに多数の遺伝子異常が明らかにされるものと期待されています。網膜色素変性症といっても原因となる遺伝子異常は多種類になると考えられていますので、それぞれの遺伝子異常に対応した網膜色素変性症の型があるためそれぞれの型の症状も多彩です。たとえば最初に錐体が障害されて視力が低下し後になって徐々に夜盲をきたす方もいます。

遺伝

網膜色素変性症の遺伝形式は、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X染色体劣性遺伝のすべての遺伝形式をとりますが、日本での頻度は、常染色体優性17%、常染色体劣性25%、X染色体劣性2%と報告されており、家系内に他に患者がおらず遺伝形式が明らかではない弧発例が多く存在します。しかしこのような弧発例の中には、遺伝が隠れていることがあり、詳細な家系調査が欠かせません。

常染色体優性遺伝網膜色素変性症

網膜色素変性症患者の両親のどちらかが患者で、子供それぞれに50%の確率で遺伝します。世代を縦に連続して網膜色素変性症患者が現れますが、発症せずに世代を飛び越えることもあります。

常染色体劣性遺伝 網膜色素変性症

網膜色素変性症患者の両親のどちらもが病気の遺伝子を持つが発症しない保因者であり、網膜色素変性症患者の親が近親婚である場合に多くみられます。子供それぞれに25%の確率で遺伝します。世代を縦に患者が現れることはありません。

X染色体劣性遺伝網膜色素変性症

X染色体に病気の遺伝子があり、女性が保因者となって、家系内の男性に病気が現れます。保因者の女性から生まれた男児は50%の確率で発症、50%は正常です。一方、女児は50%が保因者、50%は正常です。男性の患者から男性に直接遺伝することはありません。

網膜色素変性の原因遺伝子は、これまでに40種類以上が報告されていますが、これらの異常があてはまるのは、網膜色素変性の患者さんのごく一部と考えられています。ほとんどの患者さんではいまだに原因となる遺伝子異常が不明で、今もなお新しい遺伝子異常の報告が続いています。

それぞれの患者さんで原因遺伝子を解明しても、直ちに診断や治療に結びつくわけではありませんが、病気のしくみの解明や治療法の開発に役立ちます。

治療実績

網膜色素変性症は難病ですが、治療が出来ない病気ではありません。当院の鍼灸治療は、網膜色素変性症には、高い効果を示します。
豊富な網膜色素変性症治療経験を持っている当院長の独自な鍼灸治療は、視細胞のアポトーシスの抑制及び脈絡膜の血流を増加する効果の高い方法です。

集計した治療データも中国医学鍼灸院の独自の鍼灸治療法を受けた網膜色素変性症患者203名、85%網膜色素変性症患者の平均視力は0.1から、0.5以上に回復し、一部は1.5に回復していたという良い結果が得られました。